2012年5月18日金曜日

予選 第10問 問題&解答



いよいよ予選最終問題です。あらためて皆さまダマしてごめんなさい!
最後もマジカルミステリー劇場の出題です。それでは、どうぞ!


【第10問:マジカル頭脳パワーより】
あれは昭和43年のクリスマスのことだった。
プレイボーイとしても有名な作家、前田智紀がバーで飲んでいると1人の男が声を掛けてきた。
「小説家の前田智紀さんだね?ちょっと話良いかい?」
その男は黒いメガネを掛けて、顔には無数の傷痕があった。見るからに危ない人間であることは明確であった。
前田はドキッとしながらも「いいよ。聞こうじゃないか。」と虚勢を張った。男は隣に座り語り始めた。
「あっしは久美子の亭主でさ。ほら、バー・エルフにいた久美子だよ。」
「あぁ、居たかもしれないね。彼女がどうしたんだい?」「赤ん坊を産んだのさ。先生の子をね。」
「僕の?冗談言っちゃいけない。彼女とは2年前に手を切ったはずだ。」
「生まれたのは去年でさ。女の子で名前はミサコっていうんだけど。最初は俺の子だとばかり思ってた。
でも俺に顔立ちが全然似てないし、怪しいなと思って血液型を調べるとやっぱり俺の子じゃないとわかった。
そこで久美子に問いただしてみると先生の子だと白状しましたぜ。」
「彼女の言葉だけじゃ僕の子だという証拠にはならないな。
なんせ彼女は浮気な女で僕以外にも5、6人の男はいたからね。」
「そんなに言うなら明日にでもミサコに会ってもらっていいぜ。先生にそっくりで生き写しのようだ。」
前田は少し考えて、口を開いた。「で?仮に僕の子だとして、どうしようというのだね?」
「あっしは先生に引き取って欲しいんですがね、久美子のほうが離婚してでもあの子は育てるって言うんで。
俺達の子として出生届は出しているわけだし、あっしとしては嫁も大事なんでこのまま別れず育てたいわけだ。」
「そこで養育費が欲しいと。」「これだから先生は物分りが早くてイイね。」「いくらだい?」
「今までの出産費用と養育費あわせて100万円。そして、成人まで養育費として毎月5万円。」
前田は思案した。確かに彼女とは2年前わかれるまでは関係は持っていた。
しかし、彼女からの連絡はそれから1度もなかった。子供が出来たなら手紙でも送ってくるのではないか?
そこで前田は1つだけ質問をしてみた。「すまんが、私も自分の子かもしれないと思うと聞きたいことがある。」
「おう。何でも聞きな。」「ここに名前とフリガナ、生年月日と血液型あたりを書いてもらっていいかい?」
「そんなことでいいのか?お安い御用だ。」
【 山田美沙子 ヤマダミサコ 昭和42年12月2日生 AB型 】
それを見た前田は確信した様子で口を開いた。
「ばかばかしい。生まれてもない赤ん坊をネタに僕をゆすろうったって、そうは問屋が卸さないよ。さぁ、早く帰りたまえ。でないと詐欺・恐喝で警察に訴えるぜ。」
それを聞いた黒メガネの男、今までの威勢はどこへやら。こそこそとしっぽを巻いて退散した。
その見事な撃退術に感心したマスターが聞いた。「先生、一体何を証拠にあの男の嘘を見破ったんですか?」
さて、みなさんはお分かりだろうか?




答え:「沙」の字は使用不可能だった。
戸籍法施行規制によって、名前に使えるのは
当用漢字と人名漢字、カタカナ、ひらがなに限定されている。
「沙」は当用漢字にも人名漢字にも入っておらず使えないはずなのである。
「沙」という字が使えるようになったのは昭和51年7月からである。


ということで全10問でした。
明日は、エントリー時にお答えいただいた「マジカル平均値」の結果を発表します。

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